現在、当会の会員数は123名、うち、女性会員は10名です。新規登録者は,毎年,2名前後に留まっていますが,平成16年度は5名の新規登録がありました。
長野県の人口は約220万人ですから、会員数・人口とも全国的には平均的なレベルと考えられます。
裁判所は、長野に地裁本庁があり、松本、上田、佐久、諏訪、伊那、飯田に地裁支部があります。長野は北信、松本は中信、上田・佐久は東信、諏訪・伊那・飯田は南信と呼ばれています。本庁のある長野は県の北部に位置しているため、長野と各支部間の移動には、かなりの時間を要しますが,長野新幹線,高速道路の開設によって長野と上田支部・佐久支部間の移動はかなり短時間となりました。長野、松本間は、JRの営業距離で62キロ、所要時間は片道約1時間です。最も南に位置する飯田は、JRの営業距離で163キロあり、JRでは片道実に3時間半、高速道路を用いても、片道約2時間半を要します(地図を見れば、裁判所が全県に分布しているのがわかると思います)。
当会の会員は、広い県内に点在しています。本庁及び各支部の管内人口、会員数及び弁護士一人あたりの人口は、以下のとおりです。
|
管内人口 |
会員数 |
一人あたり人口 |
長野 |
59万 |
45 |
1万3,000 |
松本 |
53万 |
28 |
1万9,000 |
上田 |
29万 |
13 |
2万3,000 |
佐久 |
21万 |
6 |
3万5,000 |
諏訪 |
21万 |
17 |
1万2,000 |
伊那 |
19万 |
6 |
3万1,000 |
飯田 |
17万 |
8 |
2万1,000 |
※会員数は登録数であり、実働はもうすこし少なくなる。
|
こうしてみると、中信、東信、南信の伊那、飯田は弁護士の数が少なく、大いに活動の余地があることがお分かりいただけると思います。これらの地区では、新入会員を熱望しています。
新入会員の多くは、勤務弁護士となっていますが、最初から独立開業される会員もあります。また、勤務弁護士となった場合にも、数年程度で独立される会員がほとんどです。
(1)委員会活動
当会には、現在23の委員会と,3の特別委員会があり、大半の会員が複数の委員を兼務しています。当会は、伝統的に委員会活動が活発であり、特に公害・環境保全の分野においては、これまでスパイクタイヤ問題、水環境保全問題などで目覚しい成果を挙げてきました。また、最近では、公害・環境保全委員会がダム問題、人権擁護委員会がハンセン病問題、消費者問題対策委員会と民暴委員会がヤミ金問題、子どもの権利委員会が児童虐待や少年問題に熱心に取り組んでいます。
近年は社会情勢の急激な変化、複雑多様化のため、弁護士会の委員会活動も迅速果敢な対応を求められますが、これらの担い手となっているのは若手会員です。委員会活動は、社会的な課題の解決に法律家として関わるものであり、個々の事件の処理とは違った遣り甲斐があります。当会は若手会員が積極的に委員会活動に参加されることを期待し、応援します。
(2)法律相談活動
当会では、長野、松本、大町、上田、佐久、諏訪、伊那、飯田に法律相談センターを設け、全県下で相談活動を行っています。また、各地の自治体や社会福祉協議会などで行っている無料法律相談にも、弁護士を派遣しています。これらの法律相談は、当会の会員のほぼ全員が担当しています。
法律相談は、地元住民に対して法的サービスを提供するとともに、弁護士にとっても、事件を受任するきっかけとなっています。
地方での弁護士活動は、あくまでも地域社会に根ざしています。その活動の中心は、市民の間で日々生起する紛争の解決にあり、ほとんどの会員が、金銭問題、不動産関係、交通事故などの一般民事事件、破産事件、遺産分割や離婚などの家事事件、刑事事件、少年事件などを幅広く手がけています。
地方での弁護士活動は、決して派手さはありませんが、地域社会の住民のために貢献しているという充実感があります。
弁護士自身の生活も都会に比べ、ゆとりがあります。弁護士の仕事が依頼者との打ち合わせ、電話の対応、起案、裁判・調停への出席、接見等々で忙しいことは変わりありませんが、都会と違って職・住が接近しており、通勤時間がほとんどかかりませんので、仕事が終われば、家族との団らんの時間を楽しむことができます。
15年度に研修委員会が設立され,会員に情報を提供し、弁護士としての能力を高めることを目的に日弁連のライブ研修を長野県弁護士会会館で実施するとともに,研修委員会主催の研修会を年数回開催しております。これからは、東京と地方の情報格差は、ますます小さくなっていくでしょう。 |