平成元年度 決議

決議(1)
リゾート乱開発規制を求める決議


 近年,日本全土においてリゾート開発が進行し,余暇利用について国民の関心が高まっている。
 確かに,所得の向上・週休2日制の拡大などに伴ってゆとりある生活を求める国民の声と,これに応じて地域振興策としての期待が高まり,リゾート開発が官民あげて推進されつつある。
 しかしながら,リゾート開発は,労働時間短縮など余暇需要を充足させる条件が整備されないままで先行されている。また,リゾート開発が必ずしも地域振興と結びつかなかったり,かえって,地価高騰,住環境の悪化や行政負担の増大などの結果をもたらした事例も少なくない。リゾート開発は,自然環境の保全とは裏腹の関係にあり,自然環境との調和が図られなくては自然破壊・乱開発につながる危惧なしとしない。さらに,リゾート開発について,自治体および住民の主体性のある取り組みと都市計画法などの法律や条例などにもとづく規制権限が保障されなければならない。
 われわれ弁護士および弁護士会は,さまざまな角度からこれらの問題を検討し,関係機関に提言するなどの諸活動を推進するものである。
 右決議する。
平成元年9月30日
関東弁護士会連合会

決議(2)
地家裁乙号支部の統廃合に反対する決議


 最高裁判所は,地家裁支部の配置を全国的に見直し,社会の実情にあった新しい配置を実現し,より良質の司法サービスを国民に提供するとして,関東弁護士会連合会管内の12庁(掛川,常陸太田,鰍沢,中之条,富岡,飯山,大町,木曽,村上,柏崎,6日町,糸魚川の各地家裁支部)を含む全国58庁の地家裁乙号支部の統廃合を実施しようとしている。
 しかし,右統廃合は,統廃合庁の管轄地域住民が裁判所を利用するにあたり経済的・時間的の負担増大を余儀なくされる等,司法サービスの減退を招くものであり,明らかに司法の充実強化の方向に逆行するものである。また,右統廃合は,国民の裁判を受ける権利を制約し,ひいては国民の裁判所離れの傾向を惹起し,これが間隙をぬって民事暴力や事件屋の横行を招くなど,広汎な地域において法の支配を揺るがすこととなりかねない。その意味で,地家裁乙号支部の統廃合は,司法における一大変革であり,国民的合意を得ることなく検討されてはならない。
 しかるに現実は,統廃合対象庁の地元市町村や県議会において統廃合反対決議が陸続として行われている。このような状況のもとでは,国民的合意はおろか地元住民の合意さえ得られていないと言う他はない。
 よって,われわれ弁護士および弁護士会は,最高裁判所が実施しようとしている地家裁乙号支部58庁の統廃合に強く反対する。
 右決議する。
平成元年9月30日
関東弁護士会連合会