館山市に法律事務所を開設して(平成8年度) | ||||||||||||||||||||
千葉県弁護士会 村松 浩二 | ||||||||||||||||||||
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V 私生活についてであるが,私はこの地に事務所を開設するまで習志野市に居住しており,この家には生活用品はそのままにしてある。というのも週末には家族共に習志野へ行き,過ごすことにしているからである。やはり狭い地域であるため,依頼者や関係者と顔を合わせることが多く,休日を休日として過ごすための防衛策である。しかし,館山等で海釣り等をして過ごすのも良いかもしれない。今後生活のスタイルも変わっていくことだろう。 W おわりに 私がこの地で開業する前後,東京の知人弁護士から「まだ老け込む年には程遠いんだから東京に事件を作って出て来い。」とか「田舎でやるにはまだ早い」「刺激はなくなるぞ」等々の忠言をいただいたり「田舎はいい。自分にはできないがうらやましい。」等の言葉をいただいた。まだわずかな期間しかたっていないが,私は老け込んではいない(いないつもりである)。むしろ,東京にいた時よりも若返った気がする(気分だけかもしれないが)。地方のおじいちゃん,おばあちゃんの話をきいていても刺激はない訳ではない。事件の内容も勤務弁護士の時とさほど変わらないし,処理の仕方等も変えていない。確かに,本来の業務の周辺である各種公益的業務は多く負担はあるが,やりがいはあり充実感はある。ものは考えようであり,最近は田舎弁護士という言葉が気に入っている。 弁護士過疎地対策として法律相談所の設置が行われているが確かに意義は大きいと思う。しかし,市民が望んでいるのは相談員が入れかわる相談所ではなく,継続的に相談できたり事件を依頼できる弁護士の存在ではないだろうか。地方に対する弁護士あるいは弁護士になろうとする者の意識の改革が必要ではないだろうか。 |