シリーズ14

女優中村メイコさん
と き:平成12年10月24日(火)
ところ:松本楼(日比谷公園)
聞き手:田中隆三会報・広報委員会委員
 シリーズ14回目は,数多くの映画・舞台やテレビ,ラジオで活躍されている中村メイコさんにインタビューしました。
 中村さんは,作曲家神津善行さんの妻であり,神津カンナさん(作家),神津はづきさん(女優)神津善之介さん(画家)3人のお子さんの母親として,育児・家事と仕事を両立されてきており,それをテーマとした講演の依頼も多いとのことです。
 中村さんは,娘さん達が独立され,神津善行さんが家にいることが多くなったことがきっかけで,「夫と二人きり」(青春出版杜)を執筆,出版されました。中村さんのお人柄が反映した,気さくで軽やかで豊かな雰囲気の中でインタビューをすることができました。
○弁護士に対する印象はどうですか
中村さん  私は,結婚した時に,今後仕事のうえでも顧問弁護士がいたほうがいいだろうといわれて橋元四郎平先生を紹介されました。先生とはそれ以降今までお付き合いをさせて頂いています。
 幸か不幸かいままで橋元先生にお仕事をお願いしたことはないんですが,弁護士というと何かあったときに頼りになるパートナーという感じがして,主治医と顧問弁護士は絶対に必要だと思っています。私はここのところはアメリカナイズされているんですよ。風邪をひいた時に皆さん近くのお医者さんに行くのと同じように,皆さんがいつでも相談できる弁護士さんがいるようになればいいんじやないかなと思っています。
○そうすると弁護士の人数が増えることにも賛成ですか
中村さん 私はいいことだと思います。とくに,女性の弁護士さんが増えて欲しいですね。日本では,女性は,一所懸命に働いていても出産や育児をすると,それが一段落した時に元働いていた職場に戻るというのがなかなか大変でしょ。
 私は,出産,家事,育児を経験した女性が社会で活躍することは絶対いいことだと思うので。女性の弁護士さんが活耀して,どんどん女性が働く場が増えていって欲しいと思っています。
○法律や裁判というとどういう印象をお持ちですか。
中村さん 世の中のできごとには色々な答があって,どの答も間違っていないということもあると思います。いろいろな答が正しいことが,正義の実現や民主主義にとって大切だなと思うのですが,それを法律や裁判では一つの答だけが正しいと決めるわけですから大変なことだと思います。
 余談になりますが,私が小さい頃,父親から社会のルールを決めるのが法律で,法律は答が一つしかないんだと言われてすごいものだなと思ったことを覚えています。
 裁判については,とにかくお金がかかるという印象がありますね。今お聞きしたんですが,殆んどの裁判で,裁判に負けた方が裁判に勝った方の弁護士さんの費用を負担しなければいけないという制度も検討されているようですけど。私はそういう制度に賛成ですね。勿論,裁判で決着をつけるのか,裁判までいく前に話し合いで解決するのか,解決の方法を慎重に選択することは大事ですが,一旦裁判になったら正しいことを言っている人の負担ができるだけ軽くなるというのは良いことだと思います。
○少年法の改正についてはどう思われますか。
中村さん 少年犯罪への対応には様々な考えがあるでしょうし,いくつかの考えが正しいということもある筈ですから,慎重で充分な議論がされるべきだと思います。ただ,私が母親としての立場からみて最近感じているのは,子供の成長が早くなっていて身体も大きくなってきていますから,精神的にも子供といえないような面も混じってくると思うのでそこのところはきちんと考えていくべきだろうと思っています。
○弁護士や弁護士会に望むことがありますか
中村さん 政治にもいえることですが,法律の世界も言葉が難しいということがありますね。弁護士会などで法律用語を素人にも分かり易く解説してくれるような企画をしたり,あるいは素人にも分かる丁寧な説明が付いている本を出してくれたりしたらいいんじゃないかと思います。私は以前,生放送のテレビドラマで検事さんの役をやったことがあるんですが,刑法の用語とか検事さんの話し方というのが難しくて,大変苦労したことを覚えています。
 それと,アメリカ映画の影響があるのかもしれませんが,日本の弁護士さんは行動的じゃないような印象を受けるんですけどどうでしょうか。弁護士さんには,何かあった時に,スピーディーに適切な処置をしてくれるという姿を望みますね。
○陪審制については,どのようにお考えですか
中村さん アメリカで行われている陪審制でも,陪審員というのはすごい力を持っていますよね。陪審員が出した結論は社会的にも大きい反響があるわけですから,そういう結論は誰がみても納得するような制度じゃなければいけないと思います。裁判が法律家だけのものではなく,普通の人の視点でなされるということからは陪審制自体には必ずしも反対ではないですが,人選や手続など難しい問題があるのではないでしょうか。
 例えば,私が陪審員になって欲しいと言われたら,私は子供を育てた立場から,児童心理が問題になったり,親と子の関係が問題になる事件であれば手を挙げるかもしれませんが,事件によっては引き受けることができないのではないかと思います。
○お忙しいところありがとうございました。

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