シリーズ36


神野さん
歌 手
神野美伽さん
と き:平成15年1月17日(金)
ところ:オフィスあらき
(渋谷区 千駄ヶ谷)
聞き手:鈴木 周会報広報委員会委員
  シリーズ36回目は,歌手の神野美伽さんです。神野さんは,だんじり祭りで有名な大阪府貝塚市出身で,1984年に「カモメお前なら」で歌手デビューされました。以後は,その抜群の歌唱力と飾らないお人柄で,多くのファンに支持され,今日まで20年近く活躍されています,また,大の韓国フリークとしても知られ,1999年には,「海峡を越えて」で韓国デビューを果たし,芸能分野において日韓の重要な橋渡し役を務められています。そのほかにも,少林寺拳法2段,書道2段,陶芸など多彩な趣味,特技をお持ちです。旦那さんは,作曲家の荒木とよひささんです。
○初めまして,私も神野さんのお歌をデビュー当時から聴かせて頂いています。
  歌のテーマも「船」とか「祭り」とか勇壮で力強いものが比較的多いようですが,ご出身の貝塚市のお土地柄もあるのでしょうか。
神野さん   それもあるかもしれませんね(笑)岸和田市とのすぐ境くらいで育ちましたし,だんじり祭りも毎年見てましたから。
○テレビで見ていると,疾走する山車で民家の軒先とか破壊されてますよね。
  付近住民の方は,楽しい反面,迷惑も被っているのではないですか。
神野さん   大丈夫ですよ。だんじり保険がありますから。
○あはは,やっぱりだんじり保険あるのですか。
  さて神野さんと言えば,このところ韓国フリークとして有名ですが,そもそも韓国のことや韓国語を勉強しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
神野さん   1987年に,テレビで「歌のルーツを探る」という番組が企画されて,歌手の私がリポーターとして参加したのです,お恥ずかしいことに,それまでは,日韓の歴史や文化面にもそれほど興味なかったのですが,実際に行ってみると街中にロックや演歌やフォークなど,ジャンルを問わず音楽があふれていて,非常にカルチャーショックを受けたのです。それにメロディーもひと味違ってすごく新鮮でしたし,逆に私の歌も韓国の皆さんにどのように聞いてもらえるのか興味がわいたのです。
○それで,勉強を始められたのですか。
神野さん   帰ってすぐに始めました。当面,会話については考えず,とりあえずレコードのタイトルや歌詞が読めるように,読み方を勉強しましたね,とにかく勉強を続けていればいつかチャンスはあると思って。
○でも,当時の日韓の関係は,今ほど融合が進ん でいませんでしたし,なかなか機会もめぐってこ なかったのではないですか。
神野さん   そうですね。ずっと勉強はしていて,ようやく1999年になって,韓国の作曲家の先生が,私のために「海峡を越えて」を書き下ろして下さったのです。あちらの先生もご自分の曲が日本でどのように受け入れられるのか興味があったようですね。そのころから,「読めるだけでは駄目だ,話せるようにならないと」と思って,家庭教師の先生についてもらって,会話もできるように勉強を始めたのです,もうかれこれ4年になりますね。
○お忙しいのに大変ではないですか。
神野さん   でも,自分のためにする好きな勉強は,いろいろな犠牲を払って努力する分,理解も深くなりますし,身にもつきますよね。そのご縁で,NHKのハングル講座で「歌うハングル酒場」のコーナーも持たせて頂けましたし,楽しく勉強を続けています。
○最近の日韓の交流はずいぶん親密になってきたように思いますが,実際に両国で活動されてみて どのようにお感じになりますか。
神野さん   確かに,最近は,韓国に行ったときなど,若い女の子が友達に日本語を教えていたりするのを見ると嬉しくなってしまいますね。私も2002年は,12月に韓国でディナーショーを開催させて頂きましたし,3月には日本人で初めてKBSテレビの「開かれた音楽会」に出演させて頂きました。あ,この「開かれた」というのは,「さあ,はじめましょう」というくらいの感じで,深い意味はありませんから誤解しないでくださいね(笑)。でも,まだ私たち日本人が「こうあって欲しい」と考えているよりは多少温度差はあるようです。私なども含めてどんどんと交流を深めていければなあと思ってしまいますね。
○CDの海賊版なんかもずいぶん出回ってそうですね。著作権の関係などは気になりませんか
神野さん   うーん,今のところそういったことは気にしていませんね。まず,きちんと活動の基盤を固める方が先です。それに,文化も考え方も全く違いますし,何でも「ケンチャナヨ」(気にしない)ですませるお国柄ですから,弁譲士の先生も間に入ったらいろいろ大変だと思いますよ(笑)
○最近,演歌のジャンルが少し元気がないようで残念なのですが。
神野さん   テレビでも歌番組などずいぶん減っていますから,若い歌手の皆さんはとても気の毒ですね。力があっても発表の場が少ないですし。以前はベストテンとか,ジャンルを問わず,「なんでもあり」の番組なども多かったですよね。そういった意味では,テレビ番組や演歌好きのお客さんに育ててもらったというのは,私くらいが最後の世代ではないでしょうか。これからは歌を聴いてもらって,CDを買って頂いて,コンサートを開いて,といった活動の形自体が変わっていくかもしれませね。
○本日はどうもありがとうございました。これからもご活躍を期待しております。

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