平成15年度
    ダム問題―脱ダムをめざして―


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ご挨拶
 関東弁護士会連合会は,今年度の定期大会におけるシンポジウムで 「ダム問題−脱ダムをめざして−」 をテーマとして取り上げました。
 関弁連は,かねてから定期大会におけるシンポジウムにおいて 「開発と公害」 (昭和47年度),「海をとりもどすために−東京湾汚染と問題点−」 (昭和52年度・62年度), 「湖沼の水質保全と環境対策」 (昭和57年度),「産業廃棄物の処理について」 (昭和59年度),「飲み水の危機」 (平成3年度),「里山の復権を求めて」 (平成6年度),「ダイオキシン−今何が問題か−」 (平成11年度) などのテーマを取り上げ開発と公害,環境保全問題に取り組んでまいりました。
 平成4年には,当連合会の公害対策・環境保全委員会が水資源の観点からダム問題の調査研究を行い 「水資源の今日的課題−ダム問題を検証する−」 という報告書を発表しております。
 また, 昨年12月には,長野県弁護士会と共催でプレ・シンポジウムとして 「ダム政策転換の世紀 in 長野」 というテーマでリレー講演会を開催しました。
 我々は今,20世紀の 「開発の時代」 から,21世紀の 「環境の時代」 を迎え 「自然と共生」 することをめざし,解決すべき多くの課題に向き合っております。
  「ダム問題」 も21世紀の視点から解決をめざすべき重要な課題の一つであります。
 関弁連は,今日まで取り組んできた 「開発と公害,環境保全」 に対する問題意識を更に深め,現在のダム建設に対しては自然環境保全の視点からはもとより,公共事業の適正という観点からも根本的な見直しをすることを求め,ダムに代る総合的な水管理への転換を提言することは今日的意義を有するものと考え, このシンポジウムを企画いたしました。
 このシンポジウムが皆様のご協力によって成功裡に終わることを心から祈念いたします。
 終わりに,長期間に渡りこのシンポジウムの準備と報告書の作成に当たられたシンポジウム委員会の上野猛委員長をはじめ委員各位のご尽力に対し心から感謝申し上げると共に,ご協力をいただいた関係諸機関,諸団体と管内弁護士会に対し厚くお礼申し上げます。
平成15年9月26日
関東弁護士会連合会
 理事長  荻原静夫