従前「わたしと司法」と題しインタビュー記事を掲載しておりましたが、このたび司法の枠にとらわれず、様々な分野で活躍される方の人となり、お考え等を伺うために、会報広報委員会が色々な場所へ出向くという新企画「関弁連がゆく」を始めることとなりました。
女優・タレント
三井ゆりさん
今回の「わたし」は,女優・タレントとして活躍中の三井ゆりさんです。
三井さんは,やさしそうな容貌にあわず,興味を持ったことをとことんやってみる努力家です。サッカー番組の出演がきっかけで興味をもち,厳しい試験を乗り越え日本サッカー協会三級審判員を取得し,カーレースの仕事をすれば,わざわざイギリスに渡って国内A級のライセンスを取得したほどです。
また,先ごろは,歌手の野口五郎さんと婚約され,現在公私ともに充実しきった毎日を送っています。
―本日はお忙しいところわざわざおいでいただきまして有難うございます。早速ですが,三井さんは弁護士という職業についてはどのような印象をお持ちですか。
三井さん 私自身これまで,弁護士さんというと,わりといかめしくて怖そうというイメージがあったのですが,テレビのコメンテーターで何人かの弁護士さんとお話させていただいて,実は皆さん気さくで話しやすい人たちなんだなあと印象が変わりました。
―もっと弁護士を広く知ってもらおうと10月1日から弁護士の広告が解禁されましたが,依頼をする側としてはどうですか。
三井さん 弁護士さんに相談したいという事柄は,基本的には悩みに悩んで友達にも話せないようなことを相談するわけですよね。でも,これまでは,そういう時に良い弁護士さんを選べる媒体がなかったわけです。だから広告みたいなきっかけがあって,気軽に頼めるようになるのはとても良いことだと思います。
でも,あんまり気軽になりすぎて,アメリカみたいにコーヒーがこぼれて十数億円なんてのは行きすぎだと思いますけど。
―もっと弁護士が身近になるように,今度司法試験の合格者が3000人にまで増員されることが検討さ れていますが,これについてはどう思われますか。
三井さん 確かに,人数が増えればそれだけ敷居が低くなることにもつながるでしょうし,基本的には良いことだと思います。ただ,急激に増やすのはどうでしょうか。全体の質を落とさないように徐々に増やして欲しいですね。やっぱり,弁護士になりたくて,きちんと勉強をしてなった人に依頼したいです。そんなに増やすと,何か学生の選択肢の一つくらいになってしまいそうで少し心配です。
―弁護士の中から裁判官や検察官を選任するという法曹一元についてはどうでしょう。
三井さん 一旦弁護士として社会に出てから,いろいろな人に会って話を聞き,また経験をつんでから裁判官や検察官になることは望ましいと思います。先日もタクシーの運転手を「雲助」と言った裁判官や,「不倫は現場の活力だ」なんて言った検察官の方がおられましたよね。そういう,社会常識からかけ離れた職場でなく,被害者や加害者,社会の底辺近くにいる人たちの気持ちをきちんと聞いたことがある弁護士さんから裁判官や検察官が選任されるのなら安心ですね。
―最後に,最近印象に残った事件について教えて下さい。
三井さん やはり,少年関係の事件でしょうか。わたしは高校時代はスポーツで毎日へとへとになっていたので,活力を発散できていましたが,そういう年齢の少年の力をどこに向けるか,どう受けとめるかが大事だと思うんです。だから何でも気軽に相談できる場がもっと少年たちにあったらいいのにな,と思います。
弁護士さんにも,少年の気持ちや話をしっかり受けとめる役割を期待したいですね。