従前「わたしと司法」と題しインタビュー記事を掲載しておりましたが、このたび司法の枠にとらわれず、様々な分野で活躍される方の人となり、お考え等を伺うために、会報広報委員会が色々な場所へ出向くという新企画「関弁連がゆく」を始めることとなりました。
女優
宮前杏実さん
今回の関弁連がゆくは,SKE48の元メンバーで,SKE48卒業後は女優に転身された宮前杏実さんです。 宮前さんには,当連合会が共催したシンポジウム「弁護士になりたい!って思ってるだけじゃ始まらない」(平成29年3月19日開催)で,第2部の会場進行サポーターを担当していただきました。そんな宮前さんにSKE48のことやこれからのことについて,色々とインタビューしてまいりました。
― 宮前さんは昨年までアイドルとしてご活躍されていましたが,子どもの頃からアイドルを目指されていたんですか。
宮前さん いいえ,私は子どもの頃からずっと獣医さんになりたかったんです。
― アイドルとはなかなか結びつかない職業ですね。
宮前さん 昔からずっと犬を飼っているんです。当時飼っていた犬が思わぬ怪我をしてしまい病院に連れて行った時,獣医さんを見てかっこいいなと憧れました。
― 今も犬を飼っていらっしゃるんですか。
宮前さん はい。今年の2月の初めに引き取ったわんちゃんがいるんですが,その子はペットショップで買った子ではなくて,飼育放棄されていたのを引き取らせてもらった子なんです。もう9歳のミニチュアダックスフントなんですよ。
― わんちゃんで9歳だと,人間でいうと50歳くらいですか。懐きましたか。
宮前さん 意外とすぐに懐いてくれたので私もびっくりしました。私がテレビを観て泣いているとペロペロなめてくれます。50歳のはずですが50歳に見えないくらい走り回るし,むちゃくちゃ元気です。
― 今から獣医を目指すという道は?
宮前さん どうでしょうかね,何年か大学にも通わないといけないですし難しいでしょうね。
― 子どもの頃は勉強は何が得意でしたか。
宮前さん 国語です。古文とか。ただ,中学2年生の頃からアイドル活動を始めて,アイドルに専念していたので,その頃から学業のほうはあまり(笑)。
― 学校にはどのくらい通われていたのですか。
宮前さん アイドルになった初めの頃はレッスンが沢山あって,お昼に早退することが多かったです。レッスンは夜遅くまであるんですけど,バスケ部の朝練があるので朝は学校に行かないといけなくて。
― バスケットボール部だったんですね。ポジションはどこでしたか。
宮前さん バスケは小学生の頃からしていました。中学ではメンバーが5人しかいない部だったので,ポジションはどこでもできるように教えられていました。試合中に怪我とかして誰かが退場すると4人で戦わなきゃいけなくなるんですよ。
― それは厳しいですね。メンバーが5人しかいないとなるとアイドル活動を理由に休むこともできないですね。今日宮前さんにお会いして背が高い方だと思ったんですが,バスケをされていたと聞いて納得しました。
宮前さん 165cmあります。子どもの頃は,背が高いことがコンプレックスだったんですよ。みんな小さくてかわいいなあ,と思っていました。
― どうしてですか!?カッコよくていいじゃないですか!宮前さんは今19歳ですよね。お若いからまだまだ伸びるんじゃないですか。
宮前さん いえいえ(笑)。この身長になったのは中学2年生で,そこからは変わっていません。ですからもう伸びないと思います。
― 学校に通いながら,しかもバスケ部の朝練にも参加しながらアイドル活動を行うというのはなかなかハードな生活だと思いますが,アイドルになったきっかけは何だったんですか。
宮前さん 元々はアイドルになりたかったわけじゃなくて,女優さんになりたかったんですよ。でもAKB48が好きな友達に「オーディションを受けてみたら?」と言われて,それでオーディションを受けて,合格したのがきっかけです。
― オーディションではどんなテストがあるのですか。
宮前さん 私の場合は歌とダンスでしたね。
― 合格の倍率は高そうですね。
宮前さん どうだったかな,私の場合はスムーズに合格したので,倍率は今の子達の方が高いんじゃないですかね。
― オーディションに向けてどんな準備をされたのですか。
宮前さん 母とカラオケに行ったりしました。母が昔芸能界に興味を持っていたということもあって,とても熱心に練習に付き合ってくれました。母はアイドルになった後もいろいろと協力してくれて,本当,もうかなり感謝しています。
― アイドルのオーディションを受ける段階で,いずれ女優になるということは考えていらっしゃったんですか。
宮前さん 考えていました。でも女優を目指しているのにアイドルのオーディション受けるっておかしな話ですよね。
― アイドルでお名前が売れるとそれがきっかけで女優のお仕事がくることはあるでしょうから,おかしくはないと思いますよ。実際にAKB48を卒業されて女優になられた方もいらっしゃいますよね。アイドル活動を約5年されていたわけですが,5年というのは長かったですか。それとも短かったですか。
宮前さん 最初の2,3年は何も分からないままやっていたのでとても長く感じました。でも最後のほうは自分らしく楽しくできてあっという間でした。アイドルとしてはやり切ったという思いですね。
― アイドルもどんどん新しいグループや新しい子が出てきますが,宮前さんがアイドルをされているとき,そういう子たちを見てプレッシャーを感じましたか。
宮前さん あまり感じなかったです。性格的にプレッシャーを感じたり緊張したりというのがないんですよ。
― すごいですね。SKE48でセンターになったときはどうでしたか。
宮前さん 意外と平気でした(笑)。
― 大物ですね。緊張する場面は全くないのですか。
宮前さん 初対面の人と話すときも大丈夫ですね。でも,一人でどこかに行かなきゃいけないとかなると緊張するかもしれません。例えば,母に「これ,銀行で振込んできて」とか言われるとドキッとします。
― 振込みに緊張するってどういうことですか(笑)。
宮前さん 振り込むという行為が,私にとってその時初めて自分でやらなきゃいけない事だったので,責任重大な気がして(笑)。
― 振込みのことは置いておいて,ステージ上で緊張しないなんてきっと女優さんに向いていますね。
宮前さん でもこれまでとは違う環境になるので,もちろん不安な気持ちはあります。
― 女優さんになりたいと思ったきっかけは何ですか。
宮前さん 実は,特にきっかけというものはないんです。昔からずっとドラマを毎クール全話見るのが習慣になっていたので,生活の中でテレビに映る女優さんを身近に感じていたのかもしれません。
― これまで女優として出演された作品はありますか。
宮前さん 「AKB49」というミュージカルに出演しました。AKBに憧れていた子がAKBに入るという役を演じました。自分とリンクするような感じでしたので,演じやすかったですね。
― ミュージカルは,演技に加えて歌とダンスが加わるので難しそうですね。さらにドラマの撮影と異なりカットがないからやっぱりプレッシャーが大きいと思うのですが。
宮前さん 平気でしたね。アドリブとか入れていました。
― アドリブ入れたら相手の子は固まったりしないですか。
宮前さん それが見たくてアドリブ入れたりしました。それで終わった後で怒られて(笑)。
― プレッシャーを感じたり緊張したりするのは,「失敗するかも」という不安が強くあるからだと思うんですが,宮前さんの場合はそういう不安がなくなるところまで準備をされていたのかもしれないですね。
宮前さん そうですね。「AKB49」は稽古期間が短かったので集中してやっていました。追いつめられるとやるタイプです。
― 趣味はありますか。
宮前さん すごく地味ですが,塗り絵が好きです。色鉛筆を使ったり,いろんな色の筆ペンで描いたり塗ったりしています。
― 実は弁護士会には色々なキャラクターがいるのですが,それらの塗り絵があるんです。例えば,日本弁護士連合会のキャラクターの「ジャフバくん」ですとか。後でお渡ししますね。(*後ほどお渡ししました。)
宮前さん ありがとうございます!
― 宮前さんは今後,舞台,テレビドラマ,映画のうちどこで活躍したいというのはありますか。
宮前さん ドラマや映画といった映像を中心としてやってみたいです。
― どんな女優さんになりたいですか。
宮前さん いわゆるカメレオン俳優になりたいですね。悪女と言えばこの人,清純派と言えばこの人,というのではなく,どんな役をやってもハマり役と言われるような演技派になりたいですね。
― 弁護士をモデルとしたドラマがいくつかありますが,観られていましたか。
宮前さん 最近だと「99.9 刑事専門弁護士」や「リーガル・ハイ」(敏腕弁護士の活躍をコミカルに描いたドラマ)を観ていました。
― 宮前さんにも是非弁護士役を演じていただきたいです(笑)。女性弁護士というとどんなイメージですか。
宮前さん 社会で活躍されている女性ということで頑張ってほしいなと思いますが,大変なことも多いんでしょうね。弁護士っていうと結構堅い人物のイメージがあって身近に感じ辛かったんですが,コミカルに描かれたドラマを観て興味を持ちました。
― 宮前さんが女性弁護士の役を演じるとしたらどんな風に演じますか。
宮前さん 「リーガル・ハイ」のようにコミカルに演じたいです。
― コミカルではないですが,女性弁護士を演じるときは是非私をイメージしていただければと思います(笑)。本日はありがとうございました。