髙山 烈(第二東京弁護士会)
ご存知のとおり、関弁連は、13の単位会により構成されている。したがって、このブログに単位会を代表して執筆できるのも13分の1の貴重な機会である。そこで、ここは真面目に私の所属する第二東京弁護士会の良いところを精一杯アピールしようと考えたが、私の力量不足で思い浮かばないため、1つだけ、当会の名称に関し、この場をお借りしてぜひ申し上げておきたい。
「二弁」の正式名称は「第二東京弁護士会」なのだが、「東京第二弁護士会」という「第二」と「東京」の順序を誤った表記をたまに見かける。当会の略称が「二弁」であることから「東京第『二弁』護士会」と中抜き(正式名称の中央部分を抽出するタイプの略称の手法を指す)をしたものと誤解した方がこのような誤記をするのかも知れないが、もう少し冷静に考えていただきたい。確かに、このような中抜きタイプの略称・愛称は、渡辺恒雄さんを「ナベツネ」と呼称し、渡辺貞夫さんを「ナベサダ」と呼称する例のように、無いわけではない。しかし、木村拓哉さんの「キムタク」しかり、ケンドーコバヤシさんの「ケンコバ」しかり、ジミ・ヘンドリックスさん(故人)の「ジミヘン」しかり、姓名を短縮するタイプの略称・愛称は、姓名それぞれの前半の文字を残すパターンが圧倒的に多い。中抜きは、「渡辺」という姓に見られる例外的な略称・愛称の手法とも言えるのである。したがって、当会の略称が「二弁」であることさえ知っていれば、「二」の文字が正式名称の前半に来ることは容易に推測できるのであり、あとは当会が「渡辺」ではないことにさえ思い至れば、当会の正式名称が「第二東京弁護士会」であって「東京第二弁護士会」ではないという結論に辿り着くはずである。もし、「第二」と「東京」のどちらが先か分からなくなるという方がいるのであれば、このルールをよく覚えておいていただきたい。
もう1つ、「第二東京弁護士会」の「二」は漢数字で表記されるべきであり、「第2東京弁護士会」や「2弁」という表記は、どうも締りが無いように見えるので、やめていただきたいと考えている。他方、「にべん」というひらがな表記や「ニベン」というカタカナ表記は個人的にアリだと思うし、実際にも使用されている。
さて、ここまでは、一弁に所属される先生の中にも、「一弁もまったく同じだ!」と思う方がいるかもしれない。しかし、二弁には特有の問題もあるのだ。というのは、「二弁」の「二」はもちろん漢数字だが、変換の次第ではカタカナの「ニ」とされてしまう危険性を有するのである。「そんな馬鹿な」とお思いかも知れない。しかし、先ほどアリだと言ったオールカタカナ表記の「ニベン」が通用するために、うっかり「ニ弁」(これは「に」だけカタカナ表記だが、違和感がないでしょう)などと変換されることがありうるのである。やっかいなことに、漢数字の「二」とカタカナの「ニ」はフォントによっては表記が酷似しているために、このような誤記に気づきにくいのである。そのため、二弁の会員及び職員は、漢数字の「二」とカタカナの「ニ」の変換に非常に敏感なのである。この点は、一弁さんにはない悩みだと思う。漢数字の「一」も、長音符の「ー」やマイナス「-」と似ているが、「いち」と読むのは漢数字の「一」だけであるから、仮に「ー弁(長音符)」などという表記がされたとすれば、それは故意を以ってされたものであり、嫌がらせの類であろう。そのような表記をした一弁会員は懲戒請求をされかねない。懲戒請求を受けた対象弁護士が、千葉県弁護士会のマスコットキャラクターである「ちーべん」の「ち」を誤って削除してしまい、「ーべん」になってしまったのだという弁明をするかも知れないが、審査期日に「ちーべん」に対する熱い想いをいくら力説したところで、千葉県弁護士会であればともかく、第一東京弁護士会の懲戒委員の心には響かないように思う。
ところで、このブログの冒頭に私の所属会を記載してあるが、実はこっそりと漢数字とすべき「二」をカタカナの「ニ」にしておいた。お気づきでしょうか?
・・・すみません、嘘をつきました。冒頭の所属会の表記は歴とした漢数字であり、カタカナではございません。自らの所属する単位会の表記を偽るなどということは恐れ多くて私にはできません。わざわざスクロールして確認をされた読者の方にはお詫びを申し上げます。それもこれも私の二弁に対する敬愛だと思って勘弁れん!
(2015年08月10日)