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りじちょーの勘弁してね日記(番外編の1/3)

(夏休み旅行記、第1弾!)

理事長 若林 茂雄(第一東京弁護士会)

 

2022年8月2日から6日までの夏休みに、山形県の出羽三山、銀山温泉、秋田県のゆざわジオパークを巡りました。

この旅行の訪問先、宿泊先、プランなどの企画にあたっては、企画提案型旅行を得意とする旅行会社を経営している妻の知人のご協力を頂戴しました。ありがとうございました。

  

8月2日朝、東京駅から山形新幹線で新庄駅へ。新庄駅前の急行食堂で新庄名物冷たいとりもつラーメン(こってり!)の昼食をとり、レンタカーを借りて一路羽黒山へ。

   

羽黒山門前の駐車場に車を置き、随神門へ向かう。この辺りは手向(とうげ)宿坊街の入口で、道路脇の家々の軒先に綱を結んだ魔除け火除けの引綱が吊るされている。

羽黒山から月山・湯殿山まで広がる出羽三山神域の表玄関随神門をくぐって、山頂鳥居まで合計2,446段の石段が続く表参道を進む。石段を下り、右に曲がると祓川にかかる神橋。神橋の右奥に須賀の滝(不動の滝)。白糸の流れが美しい。山上と山麓を分ける神橋を渡ると参道は登り坂になる。

   

暫く歩くと参道左側の杉木立の中に素木造り柿葺の五重塔(国宝)。屹立する杉木立の空間にすっくと立つ五重塔は、周囲と調和して神々しく美しい。

五重塔を過ぎるといよいよ参道の登りがきつくなり、両側の樹齢300年~500年の杉並木(天然記念物)の中、一の坂、二の坂と難所が続く。二の坂上の二の坂茶屋で小休止。名物力餅を食し、元気回復。しかし、残念ながら時間の関係でUターン、来た道を戻って門前の駐車場から車で山形県鶴岡市にある宿泊先のスイデンテラスへ。

   

スイデンテラスは、著名な建築家坂茂氏が設計したホテル。水田に浮いているような素敵な建物で、源泉かけ流しのお風呂(内湯と露天風呂)がある。お風呂もほんとうにおしゃれで、露天風呂から周囲の水田と遠くの山並みを見渡せる。

源泉はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉、源泉温度62.0℃(使用場所での温度42.0℃)、pH8.1の弱アルカリ性温泉で無色無臭、私には少し熱いかな。内湯と露天風呂の両方とも源泉かけ流し(湯温調節が必要な場合のみ一時的に加水。衛生管理のため塩素系薬剤を使用)。

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夕食は、タクシーで近くのイタリアンレストラン、アルケッチャーノへ。

 

8月3日、夜中に激しい雨音が聞こえていたが朝には小康状態。羽黒山、月山へ行くのは大丈夫かなと思いながら出発。暫くしてたたきつけるような雨降りになり、フロントワイパーが追い付かない。そんな中、羽黒山有料道路を登って羽黒山頂に到着。相変わらずの大雨。レストハウス前駐車場に車を置いて雨中徒歩で出羽三山歴史博物館へ。

  

ここには重要文化財の銅鏡、仏像など修験道時代の文化財が多数展示されている。手向地区の人々に受け継がれてきた羽黒修験道1,400年の歴史ある伝統行事、松例祭の展示が面白い。

松例祭は、かつては年4回行われていたが、現在行われているのは冬の峰と呼ばれる冬の行事だけ。毎年9月から準備が始まり、旧年大晦日から新年元日まで夜を徹して行われる新年を迎える一連の祭事。なかでも、大晦日深夜から元日にかけて羽黒山頂の月山・羽黒山・湯殿山三神を祀る三神合祭殿前の広場で手向地区の若衆総出で行われる火祭り(旧年の大松明を焼き払う大松明引き神事と新年の新たな火を切り出す火の打替神事)が出色。この大松明引きが国の重要無形民俗文化財に指定されている。

https://www.tohokukanko.jp/attractions/detail_1009579.html

年末年始に行われるこの松例祭を一度見てみたいが、とても寒そう。それにしても新年の大歳神の依り代である鏡松明の管理人の名が「アホウ」というのはどういうわけ?  

     

 

出羽三山歴史博物館で斎館利用者は車で斎館まで行けると教わり、駐車場に戻って車で斎館へ。予約した羽黒山精進料理の昼食。空模様のせいか夏休み期間中なのに大広間の会場に客は3組だけ、ゆっくりできるが少し寂しい。

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昼食後、徒歩で三神合祭殿(祭神は前記のとおり。建物は羽黒派古修験道独特の造りで、厚さ2.1mの茅葺屋根、内部は総漆塗り、国指定重要文化財)と蜂子神社(祭神は出羽三山開祖、蜂子皇子(はちこのおうじ))に参拝。少し離れたところに山頂鳥居があり、石段の表参道終点。前日Uターンした二の坂茶屋から石段を登って三の坂、十五童坂を越えるとここに着く。

         

羽黒山有料道路を下って月山ビジターセンターに寄る。ここから月山八合目の弥陀ヶ原を訪ねる予定だったがとても無理な天気で予定変更。羽黒山奥之院の荒澤寺に参拝。荒澤寺は、羽黒山修験道の根本極秘の霊地、羽黒山唯一の女人禁制だった聖域で、蜂子皇子が修行した寺といわれる(手向地区にある荒澤寺正善院は、この荒澤寺の本坊)。見るからに古刹の風情。苔むした石段を登り、山門をくぐると、参道左側に小柄な本堂、その先を左折した奥に不動明王石像が安置された常火堂。参拝の後、手向地区に戻って黄金堂、玉川寺に参拝する。

          

湯殿山方向へ向かい、湯殿山瀧水寺大日坊へ。この寺は、大同2年(807年)に弘法大師が開創し、江戸期には徳川将軍家の別當祈願寺だったそう。それよりもこの寺が知られているのは、天明3年(1783年)に96歳で即身仏になった真如海上人の即身仏が安置されているため。山形県庄内地域の寺には6体の即身仏があるとのこと。衆生救済を願って1,000日から5,000日に及ぶ五穀断ちなどの木食修行をした後に自ら土中入定するという即身仏。思わず合掌。

        

そして、この日の宿、月山志津温泉の変若水(おちみず)の里つたやへ。

源泉は、ナトリウム-塩化物温泉。「変若水(おちみず)の湯」と名付けたのは、月山神社の祭神月読命と万葉集の歌に由来するとのこと(つたやのHP参照。変若水(おちみず)=若返りの水)。なかなか風情がある浴槽で、露天風呂からの景色もよく、ほんとに若返るかな。食事は地元食材で作られた美味しい料理がずらり。サラダは旅館前の畑産の自家製野菜。

夕食の最中に町内で豪雨による高齢者避難指示が出たとのスマホの警報。宿の人に「大丈夫?」と尋ねると、「ああ、それはずーっと離れたダムの下の方のことです」。町村合併で町がものすごく広くなって色々大変。

(つづく)

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