市民のための情報公開…使いこなそう情報公開制度
- 行政情報は,主権者たる国民が国及び地方公共団体の行政に参加し,監視するために不可欠の要素であり,情報が十分に公開されている社会こそが民主主義社会と言いうる。
- ところがわが国においては,すでに全ての都道府県で情報公開条例又は要綱が制定され,運用されているが,'惰報公開条例を制定している地方公共団体は,全国3,000余りのうち約1割に過ぎない。未だ条例を制定していない全ての地方公共団体は,早急に情報公開制度を導入すべきである。
- すでに情報公開条例を制定している地方公共団体においても,制定以来の時間的経過を踏まえ,例えば議会や公安委員会,第三セクター等の情報を公開すること,何人に対しても公開請求権を認めること,文書に限らず磁気ディスク,光ディスク等新たな媒体に記録された情報の開示にも対応すること,文書管理の整備充実,救済手続の迅速化への工夫,手数料の低減等,改善すべき点も多くなっているので速やかに制度改正をすべきである。
- 国は情報公開法要綱案を作成し,平成9年度中の法制化にむけて検討中であるが,同要綱案には例えば次のような問題点がある。
- (1) 知る権利の明記がない
- (2) 特殊法人を除外している
- (3) 非開示理由が広範である
- (4) 応答拒否処分を広く認めている
- (5) 地方に裁判管轄を認めていない
したがって国は要綱案にとらわれることなく,真に国民の権利を保障する情報公開制度とすべく更に一層努力すべきである。
- そこでわれわれは,以上のことを実現するために国民とともに関係方面に働きかけていく決意である。
以上のとおり宣言する。
1997年(平成9年)9月19日
関東弁護士会連合会