わが国は特有の自然環境を有し,地震,噴火,津波,台風などにより毎年のように各地で大きな被害が発生している。特に地震については,10年前の阪神・淡路大震災以後,新潟県中越地震,福岡県西方沖地震などが発生しており,その被害は甚大であった。
関東弁護士会連合会管内においては,既発生の新潟県をはじめとして,東海地震の対象地域である静岡県全域と東京都・神奈川・山梨・長野の各県,直下型地震が予想される東京都・神奈川・千葉・埼玉の各県,プレート境界型地震が予想される茨城県など大地震の危険地域を多く抱えている。
我々弁護士は,一市民としてこのような大規模災害に備えた危機意識を持つだけではなく,基本的人権の擁護と社会正義を実現する使命を負うものとして,被災者が受ける重大な人権侵害を防止し,最小限に留めるための施策を平常時より研究し,大規模災害に備えるべきである。
そこで,関東弁護士会連合会は,被災者の人権を守ることを目的として,国及び地方公共団体が大規模災害を想定して立案している施策に対する提言を行うとともに,法律専門家として,減災及び発災後の復興に向けて,関東弁護士会連合会・弁護士会・弁護士の市民に対する支援のあり方と支援体制の構築について具体的に提言する。
以上のとおり決議する。
2005年(平成17年)9月30日
関東弁護士会連合会
よって,本提案を行うものである。
以上