
医療を受ける子どもは,子どもであり,かつ,患者である。
子どもの権利条約は,最善の利益原則のもと,権利主体性及び成長発達権を中心とした子どもの権利を保障している。患者には,インフォームド・コンセント原則に代表される自己決定権が保障されるべきことは,当然のこととして受け入れられている。
ところが,医療を受ける子どもは,治療などを受けていることに伴い,年齢に応じた遊びを行うことができなかったり,教育を受ける機会が量的及び質的に不十分となったり,特に入院中の場合に家族や友人等との交流をはじめとする通常の社会生活を営むことが困難となったりするなど,主に成長発達権を中心とした子どもの権利保障が不十分となりがちである。また,子どもは理解力や判断力がないものとみなされて,自己の病気や医療について説明を受けられなかったり,自己の受ける医療の決定に関与できなかったりしがちである。
このように,医療を受ける子どもは,子どもの権利については患者という特性が,患者の権利については子どもという特性がそれぞれ負の要因として働き,そのどちらについても保障が不十分になりやすいという特徴がある。
我々は,医療を受ける子どもの特性に応じた「医療における子どもの権利」という視点を持つべきことを訴え,医療における子どもの権利〜成長発達権と自己決定権〜の保障の確立を求めて,以下のとおり提言し,国や地方公共団体,患者および家族,医療従事者などの関係者とともに,そのあり方を検討し,具体的な制度の整備に向けた活動に取り組む意志を表明し,ここに宣言する。
2016年(平成28年)9月9日
関東弁護士会連合会
第1 医療を受ける子どもの成長発達を支える療養環境
第2 医療を受ける子どもの教育を受ける権利
第3 入院している子どもの保育
第4 子ども自身の医療行為への主体的参加
第5 結論
よって,当連合会は,医療を受ける子どもの成長発達権と自己決定権の保障の確立を求めて,上記のとおり提言し,国や地方公共団体,患者および家族,医療従事者などの関係者とともに,そのあり方を検討し,具体的な制度の整備に向けた活動に取り組む意志を表明し,ここに宣言するものである。
以上