【内容】
本書は、大学における研究者・教育者である執筆陣による「高校生にも親しんでもらえるような法学の入門書」だ。この書籍の企画は「高校生が読むのに適した法学の本はありませんか?」という高等学校教諭からの問合せからはじまったものだという。いじめ、SNS、ブラックバイト、18歳選挙権など、高校生が身近に感じることができる話題から、「法的に考える」きっかけが得られるようになっている。多くの高校生に、ぜひ手にとっていただきたい。
執筆者が想定する主な読者は高校生であるが、「法教育」の入門書としても秀逸だ。「法教育」の知識に関する書籍と「法教育」を実践する教材のあいだ、知識と実践を架橋する書籍という位置づけがちょうどよい。小中高の学校現場で活躍する先生、「法教育」にたずさわる弁護士等やこれから「法教育」に取り組みたいと考えている人が、法教育を実施する際のヒントが得られるだろう。
【主要目次】
序 章 何のために「法」はあるの?
第1章 「遅刻したらトイレ掃除1週間」は効果的?―犯罪と刑罰
第2章 「彼と付き合う」を分析する―契約の拘束力
第3章 他人の悪口をいうことは自由なの?―表現の自由
第4章 おまえのものはおれのもの、おれのものはおれのもの―所有権の本質
第5章 自分たちのことは自分たちで決める―選挙権と国民主権、議会制民主主義
第6章 いじめを軽くみるな!―刑法的思考の第一歩
第7章 なんでお母さんが株式会社の会議に出るの?―会社組織の法
第8章 働きがいのある人間らしい仕事とは?―雇用社会と法
第9章 山本君、ケガしたってよ―損害の賠償責任
第10章 友だちとケンカ―紛争処理と法
終 章 結局、「法」を学ぶことの意味って何?
以 上