【内容】
本書は,学校で実際に起こりうる事例を教員が提示し,それについて弁護士が法的視点から解説して,さらに教師が教育的視点から考察を加えたものである。
子どもたちが身近な問題として考えられるように事例が工夫されており,子どもたちが主体的に考え,納得して身に付けられるよう配慮されている。また,子どもといえども他者との関わりの中で生きる社会的存在であることが,法的視点からの解説を読むと理解できる。そして,教師が子どもたちを指導する際のヒントが,教育的視点からの考察にあふれている。
素朴な疑問と知識しかない子どもであっても,何が自由で公正な民主主義社会であるかを考えることは大切である。その大切さを,大人が子どもに気付かせる際の一助となるのが本書である。
【主要目次】
発刊によせて
はじめに
〈法の必要性と意義〉
月曜日 法の必要性と意義を考える
第1時間目 ルール(法)の必要性と意義「グラウンドを使っていいのは?」
〈合意形成と法〉
火曜日 身のまわりの人間関係を考える
第1時間目 役割・責任の公平な配分「掃除当番は輪番でなくてはいけないの?」
第2時間目 約束と契約「約束はなぜ守らなければならないの?」
水曜日 集団・社会のあり方を考える
第1時間目 リーダーの必要性「キャプテンが決まらない!」
第2時間目 多数決と少数者の意見の尊重「多人数の意見が採用されて当然じゃないの?」
COLUMN:民主主義
COLUMN:大きな集団の中の民主主義
第3時間目 ルールの合理性と個人の自由「『女子はスカート』の校則ってどうなの?」
COLUMN:憲法訴訟
〈紛争解決と法〉
木曜日 紛争解決のあり方を考える
第1時間目 紛争(もめごと)の適正な解決方法「ケンカ両成敗ではいけないの?」
COLUMN:調停と裁判
金曜日 刑罰の意味や正しい手続きについて考える
第1時間目 罰則の意味と決め方「『日直のやり直し』から見えてくるものは?」
COLUMN:罪刑法定主義
第2時間目 適正手続きの保障「それは誰がやったのか……正しい判断って?」
COLUMN:証拠能力
課外授業-本書のねらいと法教育
学校生活のすべてが法教育-あとがきに代えて
以 上