【内容】
本書は、父と娘が対話するという形式をとりながら、私たちの社会生活が様々な法律によって支えられていることを探っていくものである。目次で第何夜と示される各話題は、新聞記事なども引用しながら20頁弱の分量で完結し、非常に読みやすい内容となっており、法律を身近に感じさせる工夫がなされている。動物と関連付けた内容となっており、子どもの関心を惹き付けるとともに、人間社会との違いを引き立たせている。子どもに対して、法律の存在意義を自然と考えさせるような、巧みな話題構成となっている。
本書は、岩波ジュニア新書であり、法律について前提知識ない子どもが無理なく読める良書である。そして、大人であっても、また法律の専門家であっても、法と社会について楽しく考える機会を与えてくれる良書である。
【主要目次】
読者のみなさんに……
前 夜 中高生のための法教育 ―犬も歩けば法にあたる
第 1 夜 名前があるのは何のため? ―吾輩は猫である
第 2 夜 落し物か捨て子か ―まいごのこねこちゃん
第 3 夜 親子であるには?親子であれば? ―ぞうさん
第 4 夜 飼い主の死後の動物 ―忠犬ハチ公
第 5 夜 動物を殺してはいけない? ―ねこふんじゃった
第 6 夜 動物の取引 ―ある晴れた昼下がり
第 7 夜 迷惑を防ぐ飼い主の責任 ―101匹わんちゃん
第 8 夜 野生動物を捕獲する ―森のくまさん
第 9 夜 児童の虐待・動物の愛護 ―猫を紙袋におしこんで
第10夜 飼い主の移動の自由 ―盲導犬クイール
第11夜 コンパニオン・アニマルって何? ―とっとこハム太郎
第12夜 動物と共存する ―アマミノクロウサギ
あとがき
以 上