【内容】
平成23年に総務省に設置された「常時啓発事業のあり方等研究会」において新たな啓発事業の検討が行われ,同年12月の最終報告書により,『主権者教育』が提言されました。
同報告書においては,「国や社会の問題を自分の問題として捉え,自ら考え,自ら判断し,行動していく主権者を育成していくこと」を主権者教育と捉え,この提言を踏まえ,総務省及び選挙管理委員会により、学校等における出前授業の推進等の取組が行われてきました。
平成27年の公職選挙法改正により,選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことに伴い,若年層に対する主権者教育の必要性が一気に高まり,とりわけ,平成28年に行われた第24回参議院議員通常選挙(以下「参院選」という。)に向けて,初の10代有権者への対応として、高等学校等(以下「高校」という。)における教育が急務とされたことから,主権者教育への理解が求められるようになりました。
本書は,主権者教育の背景などの総論部分からなる第1編,「18歳選挙権への疑問」や「投票先の決め方」などの高校生から良く出る疑問に答える形で各テーマがまとめられている第2編,主権者教育のLIVE授業集からなる第3編の構成となっています。
本書を読めば,主権者教育への理解が深まるとともに,主権者教育を行うことも可能になるという点で,おすすめです。
【主要目次】
第1編 主権者教育の疑問に答える!
1 主権者教育の背景
2 主権者教育の教材
3 教材作成と授業実施上の注意点
4 高校生の政治活動
第2編 高校生の疑問に答える!
1 なぜ「18歳選挙権」になったのですか?
2 「主権者教育」ってなんですか?
3 そもそも選挙ってなんですか?
4 なぜ若者は選挙に行かないのですか?
5 選挙に行かないのは悪いことなのですか?
6 私の一票が,社会に影響をあたえて大丈夫ですか?
7 大人はなにを基準に投票先を決めているのですか?
8 投票先はどのように選ぶのですか?
9 保護者に「○○党にいれて」と頼まれたらどうすればよいのですか?
10 自分の一票で社会が変わると思えないのですが・・・。
11 高校生ができる「選挙活動」や「政治活動」はどのようなものですか?
第3編 実践教材 明日への授業
第3編の使い方
授業LIVE1 政策を比較して投票先を決めよう!
授業LIVE2 投票に行かないと損をする?
授業LIVE3 特別支援学校での主権者教育
終わりに-「18歳選挙権」となって-
以 上