【内 容】
公立中学の校長を務めていた際に教育改革を実行した工藤勇一氏と、哲学者・教育学者である苫野一徳氏が、現在の教育現場の問題点を指摘しつつ、「多数決で決めよう」のどこに問題があるか等について、対談形式で解説をしています。
第1章で「民主主義」と「教育」について解説をし、第2章で日本の学校の問題点について議論をしています。そして、第3章では、日本の学校を真に民主主義の土台にしていくための具体的な手段と道筋を紹介しています。
学校において、教師や弁護士等が「民主主義」の説明をする場面はそれなりにありますが、子どもたちに分かりやすく「民主主義」を説明するのは難しく、本書は、授業等で「民主主義」の説明をする際の参考になるものと思われます。
【目次】
序章 学校は何のために存在するか──いま本当に身につけてほしい力 工藤勇一
1章 民主主義の土台としての学校──全員が合意できる「最上位目標」を探せ
2章 日本の学校の大問題──民主主義を妨げる 6つの課題
課題1 ─ 心の教育:「思いやり」で対立は解消できない/嫌いな人がいたってかまわない/子どものへの愛情なんて見えないもの
課題2 ─ いじめ問題:「いじめ撲滅」の発想がいじめを増やす/逃げ場のない学校設計への提言
課題3 ─ 教員養成 :家族システムから考える「日本人の従属性」
課題4 ─ 理不尽な校則:「ルールは守るもの」と教える学校教育
課題5 ─ 学級運営:「学級王国」大好きな教員たち/「教師の仮面」を脱げ!
課題6 ─ 教師の問題:どんな教育なら「よい」と言えるのか
3章 学校は「対話」で変わる──教育現場でいますぐできる 哲学と実践
終章 教育を哲学するという意味 苫野一徳
“本質”を問う哲学/志の連鎖/「読書対話の会」への誘い /教育学がなすべき使命
以 上