関東弁護士会連合会は、関東甲信越の各県と静岡県にある13の弁護士会によって構成されている連合体です。

弁護士偏在問題~ひまわり~弁護士偏在問題~ひまわり~

支部等調査報告

「支部等調査(香取市・東庄町)」のご報告

弁護士偏在問題対策委員会委員 尾﨑浩平

  1.  弁護士偏在問題対策委員会では、関弁連管内の弁護士の少ない支部等を中心に、年2回程度、当地の役所・役場、福祉機関、商工会、裁判所等の訪問や弁護士会との懇談会を行っております。
     今回は、令和6年度第2回調査として、令和7年2月13日(木)~14日(金)に千葉県香取市及び東庄町を訪問しました。地方裁判所の管轄は千葉地方裁判所佐原支部ですが、同支部は一時的に支部管轄の登録弁護士が1名という状況に陥っていたところ、昨年2名の弁護士が新たに事務所を開業しました。今回の調査では、その2名の弁護士にも参加していただきました。
  2.  初日は、体ごと飛ばされそうな強風で電車も遅延する状況でしたが、予定通り午後1時30分から香取市役所を訪問し、法律相談、福祉関連業務等各課の方々や、社会福祉協議会の方々と懇談会を行いました。ここでは、市の概況と市民の法律相談への対応状況等に関して詳細な報告をいただくと共に、市民の弁護士へのアクセスに関する課題に関して率直に議論しました。とりわけ、福祉担当者から後見問題等身近な弁護士に対する期待を強く感じました。
  3.  強風に煽られながら市役所を後にし、江戸時代から商都として栄えた佐原の、歴史的景観の残る地区の方に移動し、千葉地方裁判所佐原支部を訪問しました。同裁判所では、庁舎を見学後、事件数や事件内容の傾向、事件への弁護士関与の状況等に関して説明と質疑応答の時間が設けられました。
  4.  続いて、程近い場所にある佐原商工会議所を訪問しました。地域の商工業の現状をふまえ、過疎化が進む状況での後継者問題、町おこし等多くの課題の中で、弁護士が増えたことによる地域活性化への期待を伺うことができました。
  5.  その後、昨年佐原で開業した2名を含めた千葉県弁護士会の皆様と懇談会を行いました、地域の法律相談や後見問題等への対応について有意義な議論ができました。
     懇談会の後は、引き続き懇親会が開かれ、お酒を交えてさらに率直な意見交換をいたしました。さらに二次会のカラオケでは、島田会長始め千葉会の方々の芸達者ぶりに圧倒されました。
  6.  2日目は、東庄町役場を訪問し、町役場関係各課、社会福祉協議会、東庄病院、商工会の皆様にご参加いただき懇談会を行いました。東庄町は今まで町内で開業した弁護士がいない自治体であり、自治体の規模から開業までは望めないとしても、身近に相談できる、顔の見える弁護士の存在への期待感を感じました。同町は有名な銘柄豚の産地だということで、昼食に教えていただいた行列店での豚カツは絶品でした。
  7.  2日間の調査を通して、地域の皆様の身近な弁護士に対する期待は強く、支部に一人という状況が解消されたことの意義の大きさを感じました。最後になり恐縮ですが、ご参加いただいた千葉県弁護士会の先生方、各訪問先の皆様にはご協力いただきありがとうございました。
写真1

(千葉地方裁判所佐原支部前にて)

写真2

(佐原商工会議所前にて)

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