関東弁護士会連合会は、関東甲信越の各県と静岡県にある13の弁護士会によって構成されている連合体です。

シンポジウムシンポジウム

2025年度 宗教団体をめぐる法的課題

2025年度シンポジウム委員会委員長 小澤 義彦(山梨県)

1 弁護士は信頼される職業なのか?

 何年か前に、当会の先輩弁護士がこんな話をされたことがある。以下はその時の話の概要である。
 「ある調査会社で、職業に関するアンケートを一般の方々から取ったことがある。
 質問1 『あなたが世の中で一番信用したいと考えている職業はなんですか?』。
  その答えで一番多かった職業は、『弁護士』だった。
 質問2 『では、実際に一番信用できる職業は何ですか?』
 ・・・『一番信用できる職業は弁護士です。』と答えた方が一番多かった。
 私たちは、世の中から一番信頼され、そして、その期待に応えている、素晴らしい職業であることを自覚しなければならない。」
 と話は結ばれた。
 今回の、シンポを通じて私は改めてこのことを感じ、自分が弁護士であることに誇りを感じることができた。それは、今回のシンポで、委員の皆さんが、無報酬であるにもかかわらず、本当に真剣に課題に向き合い、1年もの時間をかけて報告書を作成し、当日のシンポをきちんと効果のある運営にしたからである。現在、報告書は、文化庁から「素晴らしい内容である」、と高い評価を受け、文化庁からは是非、各都道府県に一冊送付して欲しいとの依頼が来ている。また、山梨県庁の宗教関係の担当者からは、「来年度文化庁主催の宗教法人を対象にした研修会の当番県になっていますが、当日の映像をお借りできないでしょうか。とても分かりやすかったので」との依頼も来ている。


2 今回のシンポのテーマは、「宗教団体をめぐる法的課題」。シンポのテーマとしてはたぶん日本で初めて。

 ずいぶん、難しいテーマに挑戦したと思う。分厚い報告書があるので、報告書をぜひ読んでいただきたい。手元に報告書のない方は、関弁連のホームページの会員サイトから読むことが可能(ユーザー名やパスワードは所属会事務局にご確認ください)。
 内容は充実し、かつ、情熱にあふれている。5部構成となっており、以下に簡単に紹介する。
 第1部 宗教、宗教団体をめぐる基礎知識
日本の宗教の種類、信者数、宗教法人法、税制、等についての解説。とりわけ、現代の新宗教がどのように発生したのかの解説は秀逸である。  第2部 宗教団体をめぐる現代的課題
宗教団体内部のガバナンス問題、存続と事業承継、M&A、墓じまい、宗教団体の生き残り策(合併等)などについて解説する。  第3部 宗教団体の反社会的行為 オウム事件を中心として
地下鉄サリン事件が起きたのは1995年。なぜ、このような事件が起きたのか。坂本弁護士はなぜ殺害されたのか。オウム真理教が破産となった後、破産管財人となった阿部先生が苦闘され、被害者救済を懸命に行った説明部分は、弁護士にとって非常に勉強になると思われる。  第4部 宗教団体の反社会的行為  宗教2世問題・解散請求等
安倍元首相の殺害事件を契機にクローズアップされた宗教2世問題。統一教会の解散命令事件などを取り上げた。特に宗教2世問題は、いろいろな観点から様々なことが書かれており必読箇所。  第5部 テーマをめぐるこれまでの弁護士会の取り組みと課題の整理、今後、弁護士・弁護士会が果たすべき役割
これまでの弁護士会、また、被害者弁護団がいかに戦ってきたかを整理してあり、これらの資料に関するQRコード等も掲載されて、資料としても価値が高い。


3 当日のこと

 当日は、上記の5部会が順次発表した。すべてが素晴らしかったが、とりわけ評判が良かったのは、第2部の住職役と弁護士役が行った寸劇であろうと思われる。住職役を務めた服部弁護士は、「本当の住職さんみたいですね」と好評だった。実は、本当の住職であり、弁護士兼住職である。





4 振り返ってみて

 委員長になり、全体が動き出すまでは悩む日々が続いた。シンポの委員長というのは、大変なんだなあ、としみじみ思った。歴代の委員長さん、ご苦労様でした。委員のみなさまも改めてご苦労様でした。一人一人の活躍のおかげでなんとか職責を果たすことができました。


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