日本国憲法第3章の表題は「国民の権利及び義務」であり、第11条、第12条でも「国民」という単語が用いられている。では、外国人には、日本国憲法の規定する様々な人権規定は適用されないのであろうか。
この点については、国民主権原理や国際慣習法等を根拠として、日本人と外国人を別異に取り扱うことも許される場合があるとするのが、一般的な考え方である。
「外国人」とは、日本人ではない者、すなわち、日本国籍を有しない者である。
日本国憲法第10条は「日本国民たる要件は、法律でこれを定める」と規定し、この規定をうけた国籍法が日本国籍の取得事由を定めている。
国籍の取得事由のうち、出生による国籍取得については、生地主義と血統主義の2つに大別され、日本は血統主義を原則としている(国籍法2条1号・2号)。
もっとも、当初の国籍法は父系血統主義をとっており、父が日本人/母が外国人の夫婦の間に生まれた子は日本人であるが、父が外国人/母が日本人の夫婦の間に生まれた子は日本人ではなかった。その後、昭和59年の国籍法改正により、現在では、父又は母の一方が日本人の夫婦の間に生まれた子は日本国籍を取得することができるようになった(父母両系血統主義)。
また、認知された子の国籍取得(国籍法3条)についても、認知に加えて父母の婚姻(「準正」)を要件とすることは憲法違反であるとの最高裁の判断が出たことから、現在では、認知に加えて届出をすることで足りるとされている。
このように、日本国籍を有するか否か、すなわち日本人であるか否かは、その者が、誰と誰の間に、いつ、どこで生まるか、その時の法律がどのような制度を採用しているかといった、その者の努力では左右することのできない事情によって容易に変動し得るものであり、「日本人」であるかどうか必ずしも自明ではない。
日本で暮らす外国人が年々増加していることも踏まえ、日本人と外国人との間の別異取扱いが許容される範囲の線引きについては慎重に判断する必要がある。
外国人の人権について、勉強会に出席した教員からは、クラスには外国にルーツを持つ児童・生徒もおり、日本人と外国人の違いを強調することはかえってイジメ問題を助長する可能性もあり、慎重に対応する必要があるという意見があった。
また、カリキュラムの上でも、外国人労働者、国際化や文化的な多様性といったテーマの中で外国人に触れることはあるが、正面から外国人の人権に関する問題を扱うことはないという指摘もあった。
以上